「デイサービスに行ってみない?」と伝えたら、「私はまだ大丈夫」と断られた。そんな経験はありませんか。
親御さんを思って勧めたのに、うまく伝わらない。かえって関係がぎくしゃくしてしまう。ご家族からそう伺うことは少なくありません。
今回は、デイサービス(日帰りで通う介護サービス)を嫌がる親御さんへの向き合い方を、私たちなりにお話しします。
なぜ親は「デイサービス」を嫌がるのか
嫌がる背景には、いくつかの気持ちが重なっていることが多いようです。
- 「年寄り扱いされた」と感じて、プライドが傷つく
- 知らない場所、知らない人の中に入る不安
- 「何をさせられるのか分からない」という戸惑い
- 家族に迷惑をかけたくない、という遠慮
どれも、とても自然な気持ちです。「わがまま」ではなく、「不安」の表れと受け取ると、声のかけ方が少し変わってきます。
私たちの現場でも、はじめは緊張して来られる方がいらっしゃいます。だからこそ、最初の一歩を大切にしたいと考えています。
声かけのヒント:5つの切り口
① 「あなたのため」より「私の助けになる」
「あなたのために行って」は、介護される側という立場を突きつけてしまうことがあります。「私が安心できるから、一度行ってみてくれない?」と、お願いの形にすると、受け取りやすくなる場合があります。
② 「介護」ではなく「楽しみ」から伝える
「デイサービス」という言葉自体に身構える方もいます。
私たちは「介護はエンターテインメント」だと考えています。ご利用者に楽しんでもらうことが、この仕事の原点です。体操、レクリエーション、おしゃべり。「今日は何をするのかな」と思える場所でありたいのです。
③ 「得意なこと」を話題にする
昔の仕事、趣味、料理。親御さんが誇りに思っていることは何でしょう。「あそこなら、あなたの話を聞いてくれる人がいるかもしれない」と伝えると、行く理由が「世話になる」から「出番がある」に変わります。
④ 先に家族が見学へ行く
まずはご家族だけで見学し、様子を親御さんに話す方法もあります。「見てきたけど、思ったより明るい所だったよ」という一言は、案外効果があります。
⑤ 「一度だけ」「短く」から始める
「ずっと通う」と思うと、気が重くなります。「一度試してみて、合わなければやめよう」くらいの気持ちで十分です。
目的に合った事業所を選ぶという考え方
デイサービスと一口にいっても、雰囲気はさまざまです。親御さんの性格に合う場所を選べると、気持ちの壁は低くなります。
郡山市台新(開成地区):体を動かしたい方に
「ポエム開成」は、郡山市台新にあるリハビリ専門のデイサービスです。定員は18名。機能訓練(体の働きを保ち、改善するための運動)を軸にしています。「歩く力を保ちたい」「転ばない体でいたい」という思いがある方には、通う理由を見つけやすい場所です。
郡山市賀庄:少人数の温かさを望む方に
「ポエム郡山賀庄」は、地域密着型通所介護(地域の方を対象にした小規模のデイサービス)で、定員は10名です。1日を通してゆったり過ごせる、顔なじみの関係をつくりやすい場所です。人の輪の中が好きな方に向いています。
矢祭町:介護予防から始めたい方に
矢祭町では、私たちが指定管理でお預かりしている「矢祭町デイサービスセンター舘山荘」があります。地域密着型通所介護に加え、介護予防(要介護状態にならないための取り組み)にも力を入れています。
迷ったときの相談先
「そもそも、どのサービスが合うのか分からない」という場合は、お住まいの地域の地域包括支援センター(高齢者の暮らしを支える公的な相談窓口)に尋ねる方法があります。すでに担当のケアマネジャー(介護サービスの計画を立てる専門職)がいる方は、その方にも話してみてください。
まとめ
親御さんが嫌がるのは、気持ちの整理が追いついていないだけかもしれません。「行かせる」のではなく、「一緒に探す」。そんな気持ちで話してみたら、どんな会話になるでしょうか。
まずは、親御さんが最近楽しそうに話していたことを思い出してみてください。そこに、最初の声かけのヒントがあるかもしれません。
はなひろからお伝えしたいこと
私たちは「地域と共に育ち、貢献する。情熱を持ってこの仕事を愛し、関わる人全てに感謝と感動を」という理念を大切にしています。介護で悩むご家族の「一隅を照らす」存在でありたいと思っています。ご相談は、はなひろのホームページ(hana-hiro.com)からお気軽にどうぞ。
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発行:株式会社はなひろ 塙 啓之
介護業界で25年以上、現場・介護施設の管理者・ケアマネジャー(介護支援専門員)を経験。2013年に株式会社はなひろを設立し、福島県須賀川市・郡山市・矢祭町でデイサービスなどの介護事業所を運営しています。一般社団法人 全国介護事業者連盟 福島県支部 副支部長。
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