「介護事業者の倒産が過去最多」——そんなニュースを目にして、今通っているデイサービスは大丈夫だろうか、これから選ぶ事業所は長く続けていけるのだろうかと、不安になった方はいらっしゃいませんか。数字だけを見ると心配になりますが、中身を見ていくと、通所介護(デイサービス)の実情は少し違う顔を見せています。今日は郡山市で通所介護に携わる私たちの目線で、このニュースを読み解いてみます。
「介護事業者倒産176件」の中身を見てみると
東京商工リサーチの調査によると、2025年の介護事業者(老人福祉・介護事業)の倒産は176件で、2年連続で過去最多を更新しました。ただ内訳をよく見ると、印象が変わってきます。突出しているのは訪問介護で91件、全体を押し上げている主役はここです。一方、デイサービスなどの「通所・短期入所」は45件で、前年より19.6%減少しました。有料老人ホームも16件と、前年より減っています。倒産理由の多くは、利用率の落ち込みによる売上不振で、全体の約8割を占めました。人手不足を理由とする倒産も29件あり、前年より45.0%増えています。つまり「介護業界全体が沈んでいる」というより、「利用者に選ばれる事業所とそうでない事業所の差が、はっきり表れ始めている」というのが、実際の姿だと私たちは受け止めています。
2025年の介護事業者倒産、内訳を整理すると
- 全体件数:176件(前年比2.3%増、2年連続で過去最多)
- 訪問介護:91件(同12.3%増、突出)
- 通所・短期入所(デイサービスなど):45件(同19.6%減)
- 有料老人ホーム:16件(同11.1%減)
- 主な原因:売上不振140件(約8割)、人手不足倒産29件(同45.0%増)
出典:東京商工リサーチ「2025年『介護事業者』倒産」調査
なぜ「選ばれる事業所」に差がつくのか
利用率が伸びない理由はさまざまですが、共通しているのは「ここに通いたい」と思ってもらえる理由がはっきりしているかどうかだと感じています。私たちは経営理念に「地域と共に育ち、貢献する。情熱を持ってこの仕事を愛し、関わる人全てに感謝と感動を」と掲げています。特別なことをしようというより、挨拶や感謝、時間を守ること、素直に学ぶ姿勢といった「当たり前」を当たり前に積み重ねることが、結局はご利用者に伝わり、事業所の土台になると考えています。郡山市台新(開成地区)の「リハビリ専門デイサービス ポエム開成」は定員18名で機能訓練の専門性を軸に、郡山市賀庄の「デイサービスセンターポエム郡山賀庄」は定員10名で地域密着・1日型の温かさを軸に、それぞれ違う色を大切にしながら運営しています。「枠を取っ払え」という言葉のとおり、事業所ごとの個性を消さないことも、選ばれる理由の一つだと私たちは考えています。
通所介護(デイサービス)選びで確かめておきたいこと
制度や倒産のニュースを踏まえたうえで、事業所を選ぶときに確かめていただきたい視点を3つ挙げます。1つ目は、理念やスタンスが職員一人ひとりに浸透しているかどうかです。挨拶や説明の丁寧さから、意外と伝わってくるものです。2つ目は、リハビリ・機能訓練を重視したいのか、地域とのつながりや行事を楽しみたいのか、ご本人の希望に合っているかどうかです。3つ目は、ICT(情報通信技術)やAI(人工知能)をどう使っているかです。私たちは記録や解析の一部にAIを活用していますが、それはあくまで職員がご利用者と向き合う時間を増やすための道具であって、目的ではないと考えています。見学の際にこうした視点で質問してみると、事業所の姿勢が見えやすくなるはずです。
まとめ
ニュースの数字だけを見ると不安になりますが、大切なのは「なぜその数字になっているのか」を知ることだと思います。今、通所介護をお探しの方も、すでにご利用中の方も、気になることがあれば遠慮なく事業所に聞いてみてください。その対応の中に、答えが見えてくるはずです。
はなひろからお伝えしたいこと
私たちは郡山市・矢祭町で通所介護(デイサービス)を中心に、リハビリ専門デイサービスも含めて事業を展開しています。一隅を照らす気持ちで、日々の現場を一つひとつ大切にしていきます。ご相談はお気軽にどうぞ。
なお、採用情報は弊社ブログの月曜・日曜の記事をご覧ください。
介護業界で25年以上、現場・介護施設の管理者・ケアマネジャー(介護支援専門員)を経験。2013年に株式会社はなひろを設立し、福島県須賀川市・郡山市・矢祭町でデイサービスなどの介護事業所を運営しています。一般社団法人 全国介護事業者連盟 福島県支部 副支部長。
